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耳鼻咽喉科 渡辺医院

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補聴器をつけていても聞こえにくいときはどうすればいいですか?

ご相談者様

年を重ねるにつれ、音が聞こえにくくなりました。あるときから医師にすすめられて補聴器もつけています。ですが、いつのまにか、補聴器を使っても音が聞こえにくくなっていることに気づきました。いったいどうすればいいのでしょうか?

  • 難聴が進むと、補聴器でも聞こえづらくなる方がいらっしゃいます。今回の相談者さまもそのケースでしょう。そんな方には、「人工内耳」をおすすめすることがあります。

  • 人工内耳、ですか。初めて聞いた言葉なのですが、どういったものなのでしょうか?

  • 一言でいえば、人工臓器です。「聞こえ」の機能を司る人工臓器を、手術で埋め込むことになります。

  • 体の中に人工物を入れるのですか。それはどういったものですか?

  • 頭部には、インプラントという体内装置を埋め込みます。加えて体外装置として、周囲の音声を電気信号に変換して送信する装置があります。これをサウンドプロセッサといいます。インプラントとサウンドプロセッサの2つをあわせて人工内耳と呼称しています。この人工臓器が、聴力を補ってくれます。

  • なるほど。人工内耳について何も知らなかったのですが、意外とメジャーなのでしょうか?

  • 難聴の方でなければ、なかなか知られてはいないと思いますが、人工臓器の中では最も普及しています。補聴器を使用しても聞こえにくい方や、先天性の重度難聴の方にとっては、唯一の聴覚獲得法でもあります。

  • 難聴が進んだ方なら、どんな方に対しても人工内耳がおすすめですか?

  • 人工内耳には、適応基準があります。相談者さんについていくつか質問をしますね。いま、補聴器を使わないと会話が聞き取りにくい状態ですか?

  • そうなんです。高出力の補聴器を使っています。

  • なるほど。であれば、人工内耳の適応範囲内ですね。

  • 難聴にも、いくつかレベルがあるということなんですね。

  • おっしゃるとおりです。難聴には、5つのレベルがあります。音が聞こえている順から、正常、軽度難聴、中等度難聴、高度難聴、重度難聴と呼んでいます。

  • それぞれのレベルについて簡単に教えてください。

  • 正常レベルは、小さな音やささやき声でも聞こえるレベルです。軽度難聴は、静かな会話だと聞き取りづらい。中等度難聴は、補聴器を使わないと会話が聞き取りにくい。高度難聴は、高出力の補聴器が必要な状態。そして重度難聴は、補聴器の効果が少ない状態です。

  • この5つのレベルのうち、人工内耳の適応範囲に入るのはどれですか。

  • 難聴が進んでいる、「高度難聴」と「重度難聴」の2つです。

  • 人工内耳のしくみについて、もう少し詳しく聞きたいです。

  • まず、サウンドプロセッサが音を拾い、デジタル信号に変換します。その信号が頭部に装着した機器を通じて皮膚の下にあるインプラントに送られ、そこでデジタル信号が電気信号に変換されます。電気信号は、聴覚を司る蝸牛(かぎゅう)という器官に挿入されている電極へと送られ、それが蝸牛の聴神経を刺激して、脳で「音」と認識されます。

  • まさに人工内耳が内耳のかわりを務めてくれるわけですね。しかしやはり、体内にものを埋め込むというのは不安があります。この技術は、最近始まったものなのですか?

  • 実は国内では、1985年から人工内耳の手術が行われています。世界中を見渡すと、初めて手術が行われたのは1978年のことでした。意外と歴史が長い、と感じる方が多いようですね。

  • 日本でも30年以上の歴史があるのですね。なんだか安心できました。先生、ありがとうございました!

まとめ

・補聴器をつけているのに聞こえにくいなら、人工内耳という選択肢がある
・人工内耳には適応基準があり、高度難聴、重度難聴の方は手術適応になる
・人工内耳は日本でも30年以上の歴史があり、多くの実績から安全性が確認されている

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