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耳鼻咽喉科 渡辺医院

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職業性難聴や騒音性難聴とはどのようなものですか?

ご相談者様

騒音によって耳が聞こえなくなることがあるという話を聞きました。これは本当ですか? 日常生活における騒音でも危険なのでしょうか。

  • 騒音性難聴と呼ばれる症状ですね。これは、慢性的に激しい騒音にさらされることによって起こります。

  • ある日突然、聴力が低下するのですか?

  • いえいえ。徐々に聴力が低下していくイメージですね。

  • 激しい騒音とおっしゃいましたが、どんなものですか?

  • 飛行機や高速道路、工事現場、クラブやライブなどの大音量の音楽などがイメージしやすいでしょうか。

  • 意外と身近なのですね……。

  • そうなんです。ですから、工事現場や工場、ライブハウスなど、常に騒音を生じる場所で働いている方に起こりやすいといわれています。「職業性疾病」にも指定されているんですよ。

  • なるほど。ということは、労災に含まれるのですか?

  • 全部が全部ということではありませんが、一定の基準を満たせば、労災認定を受けることもありますね。

  • 騒音性難聴の大枠はわかりました。では、どのようなメカニズムで起こるのでしょうか?

  • 一言でいうと、騒音性難聴は「有毛細胞が障害されること」によって起こります。

    有毛細胞は、耳の中の蝸牛と呼ばれる部位の中にある細胞です。読んで字のごとく、髪の毛のような形状をイメージしていただければいいかと思います。音が認識されるのは、蝸牛の中の液体が振動し、有毛細胞の毛の部分が曲がったり揺れたりすることで、液体の振動情報が電気信号に変換され、脳に伝達されることによってなされます。

  • なるほど。有毛細胞が音を音として認識させる役割を担っているから、有毛細胞が障害されると、音が聞こえにくくなるというメカニズムですね。

  • その通りです。

  • 障害された有毛細胞は、どのくらいの期間で復活するものなのですか?

  • 実は、有毛細胞が障害されてしまうと、二度と再生しないのです。

  • そうなんですね!では、騒音性難聴になってしまうと、治ることはないということですか?

  • 基本的に、そう考えていただいてよろしいかと思います。

  • 気を付けなければいけませんね。具体的にどのくらいの大きさの音を聞くことで発症するものですか?

  • 「85デシベル以上の騒音に8時間さらされ続ける状態」が5年から15年ほど続くことで、発症のリスクが高まるというのが定説です。ただし、その状況下におかれた人が必ずしも全員発症するとは限りません。

  • 騒音性難聴の場合、徐々に症状が進行するとおっしゃいましたよね。「あれ?最近、右側の耳がなんだか聞こえにくいな」と感じるようになるということですか?

  • 基本的には、両耳が同じように聞こえにくくなっていきます。

  • では、すぐに気づきそうですね。

  • 意外と気づきにくいものです。はじめのうちは、日常生活に支障が起こるようなものではありませんから。

  • どんなふうに進行していくのですか。

  • だんだん日常会話が聞こえにくくなっていきます。また、音がこもったり、ゆがんでいるように聞こえたりもします。

  • 一時的な症状と判断して、なかなか医療機関を受診しない方も多そうです。医療機関にかかった場合、どのような検査を受けるのですか。

  • 聴力検査を行います。また中耳炎なども似たような症状が出ることがありますから、鼓膜を見てみたり、CT検査や言葉の聞き取りを調べたりといったことも、必要に応じて行います。

  • 騒音性難聴は基本的に治らないということでしたから、治療法などはないということでしょうか。

  • 元に戻すことはできませんので、進行を予防することが重要になります。

  • 予防策としては、どんなことが有効ですか。

  • 騒がしい場所では耳栓を着用する、騒音を改善する、騒音のある場所に長らく滞在しないようにするといったことですね。それでも進行してしまうようであれば、補聴器などで聞こえを補助する治療が必要になってくるでしょう。

  • 騒音への対策が重要なのですね。ありがとうございました。

まとめ

・慢性的に激しい騒音にさらされることによって起こる騒音性難聴は、次第に聴力が低下する
・基本的には両耳同時に進行してしまう
・耳鼻科では主に聴力検査を行い、必要に応じてCT検査や言葉の聞き取りを行う

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