耳鼻咽喉科 渡辺医院

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耳に合った補聴器は生活の質を上げる
2019年3月20日

渡辺院長×補聴器相談員対談②
耳に合った補聴器は生活の質を上げる

〜認知症予防にも役立つ補聴器は脳を若返らせる効果も?〜


【左:渡辺繁(渡辺医院院長) 右:浜岡明男(渡辺医院補聴器外来相談員/マキチエ株式会社)】

前回は、聞こえを良くする補聴器が、実は耳鳴りの治療に役立てることができるというお話をうかがいました。
補聴器が難聴や耳鳴りでつらい思いをされる方の生活の質を向上させることは間違いなく、もっと普及してほしいというのが2人の共通の想いです。
今回は、補聴器が持つ役割が、聞こえを良くするという機能を超えて、人生をさらに豊かにする可能性について詳しくうかがいました。

耳に合った補聴器は認知症の予防にもなる

インタビュアー
補聴器には「耳穴型」「耳掛け方」「ポケット型」といった形の違いがありますね。人によって向き不向きなどはあるのでしょうか?

浜岡
はい、聴力やお耳の状況によって、向き不向きはあります。人によっておすすめできないタイプもございます。補聴器には形状による性能の大きな差はないので、特に問題がなければお好みのタイプを選んでいただければいいんです。目立つのを敬遠する方はいらっしゃいますが、最近はデザインが工夫され、その点でもほとんど気にならないと思います。むしろ大事なのは、ご自分の耳の状態に合った補聴器を専門家に調整してもらうことです。

渡辺
眼鏡でいえば、きちんと度が合ったものを使ってください、ということですね。

浜岡
そのとおりです。補聴器は耳を治す道具ではありませんが、使う人に合わせて調整できたり、「耳を保護する」医療機器としての大切な機能があります。軽い難聴なのに音が大きくなりすぎる補聴器を使ったり、重度の難聴なのに聞こえが十分補えないものを使ったりしていると、よくありません。そういえば、医療機器ではない「集音器」を通信販売などでお求めになる方が多いようですが、あれは補聴器と違い、使う人に合わせた調節ができませんので、耳のためにはあまりおすすめできません。

インタビュアー
合わない補聴器や集音器を使っていると、どんな悪影響がありますか?

浜岡
音が大きくなりすぎると、耳がダメージを受けて難聴が進行してしまう可能性もありますし、音が小さすぎると生活の楽しみが広がりません。つまり、補聴器を使用していても何の役にも立たないという状況になることもあります。生活の質、QOL向上のためにつかうはずが逆効果となります。うるさければ、ストレスや症状の悪化、不足していれば必要な音刺激が得られず、うつや認知症に繋がってしまう可能性もあるといわれています。

インタビュアー
うつや認知症ですか?

渡辺
そうなんですよ。ラジオやテレビも、周りの人との会話も、耳が聞こえることで楽しめるわけですから、難聴のまま音の少ない生活、楽しみの少ない生活を続けていると、気分がふさぎ、認知機能も低下しやすいのです。また若い人でも、耳鳴りがつらくて常にイライラしている、眠れないといった症状を訴えている人が、抑うつ状態になってしまうケースは少なくありませんね。

インタビュアー
うつや認知症を遠ざけるためにも、補聴器は役に立つのですね。

耳鳴りの治療機能を備えた補聴器もある

浜岡
補聴器のタイプに話を戻すと、耳をダメージから守るために音量を自動調整する機能を付けた機種や、生活騒音をある程度抑える機能や耳鳴り治療に役立つ機能を搭載した機種もあります。

インタビュアー
耳鳴り治療の機能があるのですか?

浜岡
はい。音響療法といって、耳に小さな音を入れてやることで耳鳴りへの意識を軽くし、気にならないようにする方法です。もともと補聴器とは別に「サウンドジェネレーター」という治療器があって、難聴を伴わない耳鳴りに使われてきました。つまり、聞こえをよくするのが補聴器で、耳鳴りを治療するのがサウンドジェネレーターです。最近は、その機能を合体した補聴器もあるということですね。

インタビュアー
先生、音響療法の原理を教えていただけますか?

渡辺
耳鳴りは、静かな環境にいると特に気になるでしょう? 逆に、音楽を聴いているときや人混みでは、音に紛れて気にならなくなります。サウンドジェネレーターは、補聴器のように装着すると、耳に小さな音が入って耳鳴りを紛らしてくれるんです。それでストレスが軽くなると、耳鳴りが治まっていく。それが音響療法です。

浜岡
補聴器のご愛用者は70代以降の高齢の方が中心ですが、サウンドジェネレーターは20代から40代ぐらいの若い方によく使われています。渡辺先生は、「耳鳴りのお守り」とおっしゃっているようですね。

渡辺
先ほど、耳鳴りは脳が感じていると言いましたが、サウンドジェネレーターを使って脳の調子を整えると、耳鳴りが気にならなくなります。それでも、またストレスなどで耳鳴りが起こったらと、患者さんは気にしますね。そういうときに備えて、耳鳴りが治っても、お守り代わりにサウンドジェネレーターを持っていてくださいね、とお願いしているわけです。

補聴器で脳を若くして楽しく長生きしよう

インタビュアー
耳鳴りは耳のトラブルとばかり思っていましたが、脳の問題でもあるわけですね。ということは、補聴器は「脳の機能をサポートする」とも言えるわけですか?

渡辺
そのとおりです。補聴器やサウンドジェネレーターを、私は脳トレの機械だと考えています。

インタビュアー
脳トレ……、トレーニングですか?

浜岡
補聴器は、慣れるまで訓練が必要な道具でもあります。訓練といっても難しいことではなく、「調整を合わせながら使い続ける」ということですが、初めは1日2~3時間といった短時間から使い始めて、徐々に10時間ぐらい付けて過ごせるようにしていただきます。

渡辺
補聴器での聴こえ方に、脳を慣らしていくわけです。そのためにも、難聴が気になったら、早いうちに補聴器を使い始めるのが望ましいと言えますね。

インタビュアー
難聴に早く気づくには、どういう兆候に気をつけるとよいのでしょう?

浜岡
補聴器に関していえば、ご自分が聞こえにくさに気づいて購入を検討される方より、ご家族の指摘で相談に来られる方が多いんです。現役世代なら仕事の打ち合わせ中に話が聞き取れないなど、ご自分で難聴の兆候に気づく場合が多いのですが、仕事をリタイアしたシニア世代になると、なかなかそういう機会がないのでしょうね。呼び掛けに反応がない、会話がかみ合わない、車に乗っているとき後ろの席の話が聞こえていない、テレビの音が大きくなったといった兆候にご家族が気づいて、指摘されることが多いようです。

渡辺
いずれにしても、耳鳴りが気になったり、「難聴かな?」と思ったりしたら、できるだけ早く耳鼻科に行っていただきたいですね。少なくとも原因がわかれば安心ですし、早いうちなら治る耳を放置して、難聴が治らなくなってはいけませんからね。

インタビュアー
耳鳴りが気になったら気軽に耳鼻科へ、ですね。

渡辺
ええ、気になったら早めに耳鼻科を受診してください。耳鳴りは生活を困難にする症状なので、診療ではカウンセリングが大切。今回は補聴器がテーマでしたが、それ以外にも、耳鳴りを改善するための生活習慣や体操、難聴が原因の場合は進行させないためにどうしたらいいかなどをアドバイスしています。人生相談のようなものだと思って気楽に受診することをおすすめします。

インタビュアー
最後に、先生にとって補聴器とは何ですか?

渡辺
そうですね。補聴器にはまだまだ偏見がありますが、これからの人生100年時代、私たちのよきパートナーとして、もっと活用していけるのではないでしょうか。例えば、70歳で難聴になって、それから30年を聞こえの悪い状態のまま生きるのではお気の毒です。先ほど浜岡さんも言っていましたが、補聴器は生活の楽しみを広げるものです。補聴器を使うことで生活を充実させ、認知症も遠ざけることができるのですから、脳を若くするために補聴器を使い、楽しく長生きしましょう、と提案したいですね。

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