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耳鼻咽喉科 渡辺医院

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2018年6月13日

老人性難聴の原因と症状

「老人性難聴」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

老人性難聴と表現すると少し難しく聞こえてしまいますが、一言でいうと、耳の老化によって聞こえが悪くなった状態のことです。
いわゆる、「年のせいで耳が遠くなった」状態です。

老人性難聴の特徴

老人性難聴では、特に、人の話し声や高い音が聞き取りづらくなるという特徴があります。
人の話し声が聞き取りづらいことから、会話がスムーズにできなくなり、落ち込んでしまうケースも多くあります。
「どうせ聞こえないから」と誰かと話すことをためらってしまったり、外に出るのがおっくうになったりする方もいるからです。
進行すると、自信を喪失してしまったり、うつになってしまったりすることもあります。

老人性難聴の原因

老人性難聴は、耳の機能の老化によって起こります。
個人差はあるものの、耳の老化は40代ころから始まり、60代ころから進行のスピードが速くなります。

難聴には、音の伝わる過程に障害が生じる「伝音性難聴」、音を感じる機能に障害が生じる「感音性難聴」、伝音性難聴と感音性難聴のいずれにも該当する「混合性難聴」の3つがあります。
この3つの中で老人性難聴は、感音性難聴に分類されます。
つまり、耳の機能が老化したことが原因で、音が脳にうまく伝わらなくなっている状態なのです。

老人性難聴は、具体的には、耳の「内耳(ないじ)」に生理的な変化が起こることで発生します。

耳は、顔から遠い部分から、外耳(がいじ)・中耳(ちゅうじ)・内耳の3部分に分けられます。
老人性難聴の原因になるのは、内耳の部分です。
内耳にある、音を感じ取る細胞の数が減少したり、その細胞の機能が低下したり、音を聞く神経の障害が発生したりすることによって老人性難聴が起こっています。

これらは、老化のほかにも、騒音や高血圧、食生活などにも影響されているといわれています。

老人性難聴の症状

老人性難聴を生じると、次のような症状があらわれます。
・高い音を聞き取りづらい
・言葉の聞き分けが難しい
・雑音の中から聞きたい音を聞き取れない

このように、老人性難聴の症状は主に、「言葉や音が聞き取れない」ものです。
高齢者の方が、何度も聞き返している場面を見たことがあるでしょう。
これが、老人性難聴の症状なのです。

また、他の人の声が聞き取れないだけでなく、自分の声もうまく聞き取れません。
高齢者の方が大きな声で話すことが多いのは、他の高齢者が聞き取れるような音量で話しているというのも一つの理由ですが、自分の声が聞こえないからでもあるのです。

老人性難聴の治療

老人性難聴の治療としては、何よりまず補聴器が挙げられます。
補聴器は、厚生労働省によって、効果や安全性が認められています。
難聴の程度によって調整することもできますし、より自然な音に聞こえるよう、技術が進歩しています。
それだけでなく、耳にかけるタイプや耳の穴に入れるタイプ、ポケットタイプなど、さまざまな種類があることも特徴です。
症状や好みに応じた選択肢がありますから、医療機関に相談してみることをおすすめします。

 
老人性難聴についてご紹介しました。
老化によって耳の聞こえが悪くなる症状ですが、それだけでなく、めまいなどを伴う場合もあります。
「年を取ったから仕方ない」と決めつけず、まずは医師に相談してみましょう。

渡辺医院院長 渡辺繁

東大病院耳鼻咽喉科助手、JR東京病院勤務を経て1988年に渡辺医院開業。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本耳鼻咽喉学会・日本めまい平衡医学会所属。

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