耳鳴りを耳鼻科で診てもらうときのポイント
突然聞こえて、すぐに消えてなくなる耳鳴りは、生理的な耳鳴りです。
誰しも経験する耳鳴りであって、特に治療の必要はありません。
では、耳鼻科を受診する必要がある耳鳴りとはどのようなものなのでしょうか。
耳鳴りの診察は耳鼻科・耳鼻咽喉科へ
すぐに消える耳鳴りに対して、以下のような耳鳴りがするときは、耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診しましょう。
・鳴り止まない耳鳴り
・気になって仕方がない耳鳴り
・生活に支障をきたすような耳鳴り
・不安感に苛まれるような耳鳴り
生理的な耳鳴りもありますが、耳の病気が原因となって発生している耳鳴りもあります。
それであれば、耳の病気を治療することで耳鳴りを解消したり軽減したりする可能性があるといえます。
耳鼻科で診察を受け、耳の病気が原因でない場合には、神経内科や脳神経外科などを紹介してもらい、詳しい検査を受けることもできます。
耳鳴りは、耳以外の病気の前兆である可能性もあるからです。
耳鼻科・耳鼻咽喉科での診察を受けるときのポイント
耳鼻科・耳鼻咽喉科の診察を受けるときに最も重要なことは、「気になることはなんでも医師に伝える」ということです。
特に伝えておきたいのは、下記の2つのポイントです。
・どんなときに耳鳴りが起こるか
・ほかに気になっている症状はないか
「ほかに気になっている症状」については、耳鳴りに関係ないのではないかと感じるような症状でもかまいません。
それが、医師にとっては、診察をしたり、処方する薬を検討したりする際の材料となるからです。
たとえば、あなたが頭痛に悩まされているとしましょう。
「頭痛と耳鳴りとは関係ないはず」と考えてしまい、医師に伝えない判断をしてしまうこともあるでしょう。
しかし実は、頭痛は耳鳴り治療において重要なポイントです。
なぜなら、偏頭痛と関連した耳鳴りがあるからです。
偏頭痛と関連した耳鳴りだと判明すれば、それに適した薬を処方することもできます。
このように、一見耳鳴りと関係がないと思われるような症状でも、医師に伝えるようにしましょう。
たとえその症状の原因が特定できないとしても、それを軽減する方法を一緒に考えることも可能となります。
診察を受ける前に自分の症状を確認しよう
耳鼻科で診察を受ける際に全てを伝えられるとは限りません。
伝え忘れてしまうこともありますし、伝えきる前に診察時間が終わってしまうことも考えられます。ですから、診察を受ける前に、気になる症状を洗い出し、書き出して病院に持参することをおすすめします。
たとえば、耳鳴りを感じている人が気にしている症状や、苦しんでいることを以下に紹介します。
参考にしてみてください。

・頭痛がひどい
・めまいがする
・音が聞こえにくい
・耳が詰まった感じがする
・立ちくらみがする
・体のことが心配になる
・不安な気持ちになる
・イライラする
・夜眠れない
・疲れを感じる
・物事に集中できない
・日々の生活が楽しめない
・落ち込んでしまう
・人間関係にストレスを感じる
・仕事の妨げになる
・社会的活動が妨げられる
・混乱してしまうときがある
・絶望的な気持ちになる
耳鼻科を受診したときには、耳鳴りと関係がないように思えることでも医師に伝えるようにしてください。耳鼻科の医師は、その情報とさまざまな検査結果をもとに、どのような治療が適切なのか、どのような薬を処方すればいいのかを判断します。
また、耳の病気以外の思わぬ病気が見つかることがあるかもしれません。
自分で関係ないと判断せず、気になることは何でも相談するようにしましょう。

渡辺医院院長 渡辺繁
東大病院耳鼻咽喉科助手、JR東京病院勤務を経て1988年に渡辺医院開業。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本耳鼻咽喉学会・日本めまい平衡医学会所属。