院長の耳鳴り外来はしばらくの間、休止とさせていただきます。大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒、よろしくお願い申し上げます。
耳鼻咽喉科 渡辺医院

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2018年4月3日

種類、性質……知っておきたい耳鳴りの基礎のキソ

種類、性質……知っておきたい耳鳴りの基礎のキソ

耳鳴りには、さまざまなタイプがあります。

まず、静かなところで感じる「シーン」という音です。これも耳鳴りと言われますが、誰にでも起こる現象なので、特に心配するようなものではありません。

聞こえる音のタイプで耳鳴りを分けると、低音性のものと、高音性のものがあります。「ブーン」という低い音が聞こえる低音性耳鳴りは、ストレスがたまったときや、気圧が急に変わったときに起こりやすい症状で、あまり心配しなくてもよい症状です。

一方、「キーン」「ピーッ」といった高い音が聞こえる高音性の耳鳴りは、加齢や騒音の影響に伴って進みます。こちらは、ひどくならないように、早めに治療を始めたほうがよい耳鳴りです。

慢性耳鳴り、突発性耳鳴りという区別もあります。慢性の耳鳴りは、ときどき耳鳴りが気になる状態が繰り返すもの。高齢の方に多く、たいていは難聴に伴って起こります。一方、突発的に激しい耳鳴りが起こるのが突発性耳鳴り。いずれも早めに治療するべきです。

こうした耳鳴りの症状には、感覚器官としての「耳」と、音を感じる「脳」がかかわっています。

脳に原因がある耳鳴りの中には、非常に怖いものがあります。

「持病だから」と放置していると危険

耳鳴りには、まず、耳の病気に伴う症状として起こる場合があります。そして、脳の「音の感じ方」に原因がある場合もあります。

これらについては、大まかに言うと、耳の病気に伴う耳鳴りは、その病気を治療すると消える場合がほとんどです。また、音の感じ方に原因がある場合は、完全には消えないケースが多いものの、気にならない程度にはすることができます。

耳鳴りは、ありふれた症状なので放置している人も少なくありません。しかし、ずっとつきあうべき「持病」だと考えて、慢性の耳鳴りを放置しておくと、将来、耳が聞こえなくなることも多いのでよくありません。

また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を抱えていると、動脈硬化が進んで、めまいや耳鳴りが起こることもあります。そういう場合は、動脈硬化が進行しないようにしっかり治療してください。

ご存じのように、動脈硬化は、中高年の人が脳卒中(脳梗塞、脳出血)や心臓病になる危険を高めるからです。

耳鳴りは“めまい”と一緒に生じることが多い

耳鳴りとめまいは、一緒に起こることが非常に多い症状です。

それは、耳の中に、音を感知する器官と、体のバランス(平衡感覚)をつかさどる器官が同居しているからです。

それらの器官は、耳の奥の「内耳」といわれる部分にあります。音を感じて脳に伝えるのが、渦巻きのような形をした「蝸牛(かぎゅう)」。体のバランスを取っているのが、3本の輪っかから成る「半規管」(三半規管)と、そのつけ根にある「前庭(ぜんてい)」という部分です。

聴覚をつかさどる蝸牛と、バランスをつかさどる半規管・前庭はつながっています。そのため、メニエール病のような内耳のトラブルが起こると、耳鳴りと同時にめまいが起こることも多いのです。

健康な人でも、急に立ち上がったとき、大きく気圧が変化したとき、乗り物酔いをしたときなどに、一過性の耳鳴りとめまいを、一緒に感じることがあります。

しかし、耳鳴り、めまいがずっと消えないときや、症状が激しいときは、原因となっている病気が隠れている可能性があるので、耳鼻科に行って診察を受けてください。

渡辺医院院長 渡辺繁

東大病院耳鼻咽喉科助手、JR東京病院勤務を経て1988年に渡辺医院開業。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本耳鼻咽喉学会・日本めまい平衡医学会所属。

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