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耳鼻咽喉科 渡辺医院

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2018年6月27日

アンケート結果にみる 耳鳴りに苦しむ人の割合

耳鳴りは、ある意味で特殊な病気でしょう。
なぜなら、その症状がまわりの人には理解されにくいものだからです。
2009年4月にマキチエ株式会社が実施した、40代から70代までの世代男女均等割の416人に対する「耳鳴りに関するアンケート」調査をもとに、耳鳴りに苦しむ人がどのくらいいるのか、その人たちはどんな人たちなのか、また、耳鳴りについてどのように感じているのかをご紹介しましょう。

人には伝わりにくい耳鳴り

「本当に耳鳴りの音がしているの?気のせいではないの?」
「精神的な原因が大きい病気なんでしょう」
「耳鳴りがするという人なんて、あなたのほかには聞いたことがないよ」
「もう若くないのだから、耳鳴りくらいは仕方がないよ」
――そんなふうに言われてしまい、一人で苦しむことが多いかもしれません。

では、実際に耳鳴りは、限られた人にしか聞こえない病気なのでしょうか?それとも「気のせい」なのでしょうか?

2割以上が耳鳴りを自覚

耳鳴りの有症率、すべての人のうち、どのくらいの割合の人が耳鳴りを自覚しているのか。
それを知るために、アンケートの事前調査として、40代~70代の世代男女均等割した3900人に耳鳴りについていくつかの質問をしました。

調査結果によると、耳鳴りの有症率は全体の22%。
3900人中873人が、「耳鳴りを自覚している」と答えています。

世代ごとにみてみると、40代が最も少なく、年齢を重ねるにつれ、耳鳴りを自覚している人が増えていくという結果になりました。

耳鳴りの頻度は?

では、耳鳴りを自覚している人について、その程度はどのようなものなのでしょうか?

耳鳴りを自覚している人を、40代~70代の男女均等割によって416名にしぼり、アンケートに答えてもらいました。
「時々鳴る」「過去に経験したことがある」「常時鳴っている」のうちから選んでもらった結果が下記のとおりです。

時々耳鳴りがする…50.0%
過去に経験したことがある…26.4%
常時耳鳴りがしている…23.6%

耳鳴りを自覚している人のうち、およそ4分の1にあたる23.6%の人が、常時その音を聞いていると回答しています。ちょうど半数の50.0%の人が、「時々耳鳴りがする」と答えています。

耳鳴りがもたらす心の負担

それでは、耳鳴りが常時聞こえている人は、どのような症状や気持ちで悩んでいるのでしょうか。アンケート結果を見てみましょう。

・身体を壊さないか心配になる
・耳鳴りのために不安な気持ちになる
・ついイライラしてしまう
・耳鳴りが気になり睡眠の妨げになる
・何かに集中することができない
・耳鳴りのために疲れを感じてしまう
・気持ちが落ち込みがちになる
・日々の生活を楽しむことができない
・家族や友人との関係にストレスを感じる
・外食や映画を観るなどの社会的活動が妨げられる
・仕事や家事の妨げになる
・耳鳴りが原因で混乱してしまうときがある
・耳鳴りが続くあまり絶望的な気持ちになる

上記の中でも「身体を壊さないか心配になる」「耳鳴りのために不安な気持ちになる」「ついイライラしてしまう」については、40%以上の人が該当している結果となりました。

意外と多くの方が耳鳴りに苦しんでいる、そして耳鳴りに対する感情や苛立ちも似ている、と感じたのではないでしょうか。
耳鳴りに苦しんでいるのはあなただけではありませんし、決して気のせいでも精神的なものでもありません。
周囲には理解されにくいかもしれませんが、実は多くの仲間がいるのだということを覚えておいていただきたいと思います。

渡辺医院院長 渡辺繁

東大病院耳鼻咽喉科助手、JR東京病院勤務を経て1988年に渡辺医院開業。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本耳鼻咽喉学会・日本めまい平衡医学会所属。

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