耳鳴りの対策になる生活習慣
耳鳴りの原因の一つが、生活習慣です。
つまり、耳鳴りを予防するためには、正しい生活習慣を心掛けることが重要となるのです。
今回は、耳鳴りを予防するための生活習慣をご紹介します。
目次
耳鳴りを予防する生活習慣
ストレス解消をする
ストレスがたまり、自律神経が乱れると、耳鳴りを引き起こすことがあります。
精神的ストレス、肉体的ストレスともに、ためずに解消することを心掛けましょう。
運動をしたり、音楽を聞いたり、旅行に行ったりしてリフレッシュするのがいいでしょう。
良質な睡眠をとる
ストレスがたまったときと同様、睡眠不足は、自律神経の乱れを招きます。
慢性的に寝不足という方は、十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。
また、睡眠をしっかりとっている方でも、睡眠の質が悪い可能性があります。
入浴してリラックスする、体に合った寝具を選ぶ、着心地のいいパジャマを選ぶ、寝る前にテレビやスマートフォン、パソコンを使わないようにするなどを意識してみるといいでしょう。
血流を良くする
血流が滞ると、耳鳴りを引き起こすことがあります。
血流を良くするためには、適度な運動とバランスの取れた食事が重要となります。
また、就寝前にコップ1杯の水を飲む習慣をつけることもおすすめです。
血液をサラサラにすることは、耳鳴りだけでなく、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの予防にも効果的です。
就寝の3時間前までに食事を終える
就寝直前に食事をすると、胃腸に血液がたまります。
胃腸に血液がたまると、脳に巡る血液が少なくなってしまい、耳鳴りを招くことになります。
食事から就寝までは最低でも3時間、できれば5時間はあけるようにしましょう。
ふくらはぎをマッサージする

耳鳴りは、耳の中の内耳にある蝸牛(かぎゅう)という器官がむくむことによっても引き起こされます。
体の中でも特にむくみやすい、ふくらはぎをマッサージしてリンパ液を循環させるようにしましょう。
全身浴ではなく半身浴をする
熱いお湯で全身浴をすると心臓への負担がかかり、内耳に悪影響をもたらします。
入浴する際には、ぬるめのお湯で半身浴をして心と体をリラックスさせましょう。
耳掃除をする
耳に異物が入っていたり、耳垢がたまっていたりする状態にならないようにしましょう。
また、耳掃除の際に耳垢を奥に押し込んでしまわないように注意が必要です。
たまった耳垢や押し込んでしまった耳垢が自分で取れないようであれば、耳鼻咽喉科で相談することをおすすめします。
大きな音を聞かないようにする
外にいるときはずっとイヤホンやヘッドホンを装着し、大音量で音楽を聞いているという方もいるでしょう。
大きな音を聞き続けることで、内耳の細胞に傷がつき、耳鳴りや難聴を引き起こします。
音楽のライブやクラブも同様です。
大きな音を長時間にわたって聞くことは避けましょう。
耳鳴りの治療法
生活習慣の改善に加えて、耳鳴りの主な治療法をご紹介しておきましょう。
耳鳴りの主な治療法は、「音響療法」「心理療法」「薬物療法」の3つです。
音響療法
補聴器に似た機器を使います。
この機器を使い、長時間聞いていても不快にならないような音を聞き続ける治療法です。
音響療法のゴールは、耳鳴りをなくすことではなく、耳鳴りがある状態に慣れること。
静かなところでは、耳鳴りの音が際立ち、耳鳴りの音が気になってしまうものです。
機器を使って音を聞き続けることで、耳鳴りが気にならないような状態をつくり出します。
心理療法
心理療法は、心理療法士や心理カウンセラーによる治療です。
耳鳴りの原因を探り当て、ストレスを軽減させます。
耳鳴りは、疲労やストレスが原因となっていることも多いもの。
心理療法の目的は、そんな耳鳴りに悩む患者さんの精神状態を落ち着かせて、自律神経を整えることです。
薬物療法
薬物療法は、薬によって耳鳴りの症状を緩和させる治療法です。
耳鳴りを確実に消すことができる薬はありませんが、血流を改善するビタミン剤や、精神を安定させる抗うつ剤、耳鳴りによって眠れない方には睡眠剤が処方されることもあります。
耳鳴りは、大きな病気の前兆であることもあります。
正しい生活習慣を意識することももちろん重要ですが、耳鳴りが長期間に渡って改善しないようなら一度は耳鼻科・耳鼻咽喉科の診察を受けるようにしましょう。

渡辺医院院長 渡辺繁
東大病院耳鼻咽喉科助手、JR東京病院勤務を経て1988年に渡辺医院開業。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本耳鼻咽喉学会・日本めまい平衡医学会所属。