耳鼻咽喉科 渡辺医院

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2018年5月16日

耳鳴り研究の歴史~エジプト・メソポタミア時代~

人はいつから耳鳴りに悩まされてきたのでしょうか。
実は、耳鳴りをはじめ、聴覚異常感は、最も古くから記録が残っている症状の一つなのです。
なんとその歴史は、エジプト・メソポタミアの古代にまでさかのぼり、ギリシャ・ローマ時代を経て多くの報告がなされてきました。

まずはエジプト・メソポタミア時代の耳鳴りについて注目してみてみましょう。

エジプト人の医学技術は医学の原点になっている

紀元前8世紀ごろに著された『オデュッセイア』には、「エジプト人たちの医学は、ほかのどんな技術よりもすぐれている」という記述があります。また、”歴史の父“と呼ばれるギリシャ時代の歴史家・ヘロドトスは、紀元前440年ごろにエジプトを訪れており、エジプト人の医学技術を観察し、記録に残しています。さらには、古代ローマの博物学者であるガイウス・プリニウス・セクンドゥスも、エジプト人の医学技術について記録しています。

これらからわかるように、古代エジプト時代は、医学の歴史において見逃せない時代であり、ここが医学の原点になっているともいえるのです。

パピルスに記述されていた医学知識

さらに時代を下ると、古代エジプト時代のプトレマイオス5世が紀元前196年に出した勅令を刻んだという内容のロゼッタ・ストーンが1822年に解読されました。これにより、古代エジプト時代のパピルス(紙に似たもののこと)で用いられる言語が解読でき、その研究が進みました。パピルスには、医学に関する記載が多く含まれていたのです。

実際に、解剖学上の知見や病気の診断などについてまとめられた外科の教本としてのパピルスが発見されており、これは紀元前3000年ほどのものだとされています。ここには耳介の外傷など、実に5か所に耳に関する記載がみられます。

さらに紀元前1550年ごろに書かれたとされるパピルス『エーベル・スパピルス』は、中部エジプトのルクソール近くの古墳から発掘されたもので、およそ20m、108章にわたって医学知識がまとめられています。このパピルスには、最古とされるがんの記述があるほか、心臓の位置や役割、精神神経疾患、避妊法、婦人科医学、消化器疾患、寄生虫、眼病、皮膚病、虫歯、外科手術、接骨、火傷などについて言及されています。

耳鳴りについて明確に記載されてはいないものの、耳の疾患については91章と92章で触れられており、耳の聞こえが悪い場合には、赤色の黄土と木の葉を粉砕してベヘン酸油という油に溶かし、耳に入れることが有効だとされています。

紀元前6世紀の『ファイユムメディカルブック』というパピルスには、複数の耳の疾患についての記述があり、耳痛、難聴、耳感染、外耳道遺物などについて詳細に記録されています。ここで耳鳴りは”humming in the ears(耳の中のハミング)”と表現されており、薬草のエキスやオイル、塩類を外耳道に入れて治療したと記録されているのです。

最古の耳鳴りの記述

時代は前後しますが、現在確認されている最古の耳鳴りの記述は、紀元前7世紀のメソポタミヤ文明の石版に刻まれたものです。その資料には22か所にわたって耳鳴りに関する記述が確認されており、うち18か所では耳鳴りは”ear singing(耳が歌う)”、2か所では“ear whispering(耳がささやく)”、もう2か所では”ear speaking(耳が話す)”という表現がなされています。

この時代には、耳鳴り=悪魔の歌・声だとされ、ネズ(ヒノキ科の針葉樹)や月桂樹の種、馬のたてがみ、蛇の皮を蒸した煙による消毒で治療がなされていたほか、アヘンや大麻などといった薬物を使用したという記述もあります。

耳鳴りの最も古い記録についてご紹介しました。
気が遠くなるような昔から人間は、耳鳴りに悩まされていたのです。

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