耳鼻咽喉科 渡辺医院

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2018年6月20日

脳のしくみとその異常に伴う耳鳴り

耳鳴りには、音の情報を受け取る「脳」も深く関わっています。

音の情報は、内耳の蝸牛で電気信号に変えられて、聴神経に伝わり、大脳の聴覚皮質に届きます。音を伝えるのが耳なら、音を感じるのは神経と脳。脳神経系の働きが乱れた場合にも、耳鳴りや難聴は起こるのです。

脳と耳鳴りの関係

実は耳鳴りは、それほど特別な症状ではありません。私たちの脳は、周りのたくさんの音から「聞く音」と「無視する音」を決めて、雑音が気にならないように調節しています。人混みの中で会話ができるのは、そのおかげです。

健康な人でも、静かな場所にいると耳鳴りのような音を感じますが、ふだんは、脳がそれを無視しているのです。しかし、脳の調節機能が低下すると、音に過敏になって「キーン」「ザーッ」といった耳鳴りに悩まされることになるわけです。

ちなみに、耳鳴りの中には、ほかの人にも聞こえる「他覚的耳鳴り」(血流の音や筋肉のけいれんする音が聴こえる)もありますが、大半は、本人の脳だけが音を感じている「自覚的耳鳴り」です。

意外と多い「片頭痛」による聴覚過敏

脳が過敏になって耳鳴りを伴う病気といえば、「片頭痛」も見逃せません。

私たち耳鼻科の医院には、頭痛の治療に来る患者さんはほとんどいません。ところが、耳鳴りやめまいを訴える患者さんたちに、よく話をうかがってみると、実は頭痛持ちだったというケースが極めて多いのです。

片頭痛の発作は、脳の血管が広がって炎症を起こすことで起こると考えられています。血管が拡張する原因ははっきりわかっていませんが、女性ホルモンの影響があることはほぼ間違いなく、患者さんの多くは女性です。

患者さんの多くは、片頭痛の発作に市販の薬で対処していることが多く、効かなくて服用量が増えた薬が、さらに症状を悪化させてしまう「薬物乱用頭痛」に陥っていることも少なくありません。

片頭痛は、視界にチカチカする光が現れるなど、特有の前兆を伴う場合が多いものです。最近普及してきた新しいタイプの薬は、その前兆を感じた際に服用し、発作のつらさを劇的にやわらげてくれます。

耳鳴りが気になっている頭痛持ちの方は、ぜひ専門医に相談してください。

死の危険も…「脳梗塞」「脳出血」「脳腫瘍」

いつもと違う耳鳴りを感じたときは、ほかの症状にも気をつけてください。

耳鳴りは、めまいとともに起こることが多い症状ですが、最も注意したいのは、脳卒中などに伴って起こる「中枢性めまい」です。

中枢性めまいには、しばしば手足のしびれや、舌のもつれ、物が二重に見えるといった症状が伴います。

脳卒中には、脳の血管の一部が詰まる「脳梗塞」と、脳の血管が破れて出血する「脳出血」がありますが、いずれも最悪、死に至る危険があります。また、脳腫瘍ができて神経を障害している場合も、その場所によってさまざまな症状が現れます。

耳鼻科の開業医が中枢性めまいを扱うことはほとんどありませんが、めまいを診察する際に、「脳卒中ではない」と見分けることは最も重要なポイントです。

すぐに命に関わるような脳卒中の発作は、一般の人でも「もしや」とわかりますが、すぐには気づかないような小さな脳梗塞は、もっとひんぱんに起こっています。

特に、耳鳴り、難聴が増えてくる年代は、脳梗塞も起こりやすくなるので、気を配るにこしたことはありません。かく言う私も、慎重に診察しています。

耳と脳とのあいまいな境界

わかりやすいように「耳」の病気、「脳」の病気という切り口で説明してきました。

コラム「【前編】耳のしくみとそれぞれの異常に伴う耳鳴り・難聴」
コラム「【後編】耳のしくみとそれぞれの異常に伴う耳鳴り・難聴」

①外耳の病気(耳垢栓塞など)、②中耳の病気(滲出性中耳炎など)、③内耳の病気(外リンパ瘻、メニエール病など)、そして、④過敏な脳(片頭痛など)と、耳鳴りにつながるトラブルは、さまざまな部位に起こります。そうした場合の耳鳴りは、病気自体の治療によって解消します。

ただし実際の耳鳴りには、原因となる特定の病気がわからないものが多いのです。耳鼻科で本格的に「耳鳴り」として治療するのは、そうした原因不明の耳鳴りや、難聴に伴う耳鳴りです。そうした耳鳴りは、「耳のトラブルか、脳のトラブルか」とは一概に言えません。

音の振動を電気信号に変えて伝える内耳と聴神経、音を感じる脳。聴覚系のこのあたりになんらかの機能低下が起こると、脳が違和感を訴えて耳鳴りを生じるのです。

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