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耳鼻咽喉科 渡辺医院

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2018年8月22日

耳鳴りを予防・改善する生活習慣【③睡眠編】

耳鳴りを予防・改善する生活習慣について、睡眠の観点でみていきましょう。

生活リズムの乱れは耳鳴りの原因になる!

耳鳴りは、ストレスや心の状態と密接に結びついた症状です。

ストレスを抱えていたり、疲れて落ち込んだりしていると、私たちの脳は、ふだん気にしていない耳鳴りにも過敏になります。
そういう場合、耳鳴りそのものがまたストレスになって、負の連鎖に陥ってしまいがちです。

そこで、できるだけ夜ふかしを避けるなど、規則正しい生活を送ることは、耳鳴り予防にも大切な心がけになります。

耳鳴りを「イヤだな」と感じるのは大脳辺縁系ですが、この、感情をつかさどる部分は、自律神経系と強く影響し合いながら働いています。

基本的に、自律神経系は日中さかんに活動するときは交感神経が優位になり、夜間休んでいるときには副交感神経が優位になります。
また、食事を摂ったときやリラックスしたときにも副交感神経の働きが強くなります。

夜ふかしや食べすぎは、生活リズムに合わせて体のコンディションを整えている自律神経系の調子を狂わせてしまいます。
そして、自律神経のバランスが乱れると、耳鳴りを悪化させる緊張や不眠などの症状が起こりやすくなるのです。

「週末に寝だめ」はNG。規則正しい睡眠を!

睡眠については、誤解をしている人が多いのではないかと思います。

仕事を持っている人が、平日がんばって働いたぶん、休日に疲労回復を図るのは当然です。
実際、忙しい人が休日ふだんより1~2時間長めに眠ると、高い疲労回復効果があることはわかっています。

ただ、同じ時間帯で1~2時間長い睡眠を取るのはいいのですが、平日、睡眠時間を削って深夜まで活発に活動し、休日に昼頃まで「寝だめ」をして取り戻そうとするのはいただけません。

夜ふかしを重ね、休日には打って代わって昼頃まで寝るというスタイルは、まさに生活リズムを崩し、自律神経系のバランスを乱すもとになります。

そもそも経験的におわかりと思いますが、ふだんと違う睡眠時間帯に眠ろうとしても、なかなか質のよい睡眠は取りにくいものです。

また、夜寝ている間は成長ホルモンが分泌され、昼間の活動でダメージを受けた体を修復しています(成長ホルモンには、そういう大事な働きがあるのです)。
「週末の寝だめ」では、疲れ以外に体のダメージが蓄積して病気のもとになってしまいます。

眠れないときは静かな音楽をかけるとよい

皆さんは、うまく寝つけないときに何かしていることがありますか?

刺激が多い現代の生活は、眠りへの切り替えにも工夫が必要なものです。
高ぶった神経を鎮めるために、ハーブティーやホットミルクを飲んだり、ゆったりしたストレッチを行ったり、いろいろな方法を試している人がいると思います。

さまざまな方法がある中で、耳鳴りの気になる人に特にお勧めなのが、静かな音楽をかけて寝ることです。

最近は、市販のCDやインターネット上の動画サイトで、手軽に安眠を誘うための音楽を聞くことができます。
脳波への癒し効果をうたうものも多く見られますが、特に意識せず、自分の好みに合ったものを選ぶとよいでしょう。
ただし、好みといっても、好きなジャンルで思わず聞き入ってしまうような曲では逆効果になります。
気にならず、心地よく聞き流せるものを選んでください。

静かな夜には耳鳴りも気になりがちですが、静かな音楽を流して寝ると、音に紛れるぶん気にならず、寝つきやすくなります。

アルコール(寝酒)に頼ったりするより、よほど試してみる価値がある方法です。

渡辺医院院長 渡辺繁

東大病院耳鼻咽喉科助手、JR東京病院勤務を経て1988年に渡辺医院開業。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本耳鼻咽喉学会・日本めまい平衡医学会所属。

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