耳鼻咽喉科 渡辺医院

医療法人 社団一医会 耳鼻咽喉科 渡辺医院

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2018年7月25日

補聴器は耳鳴り治療にも使われる

補聴器といえば、耳の聞こえをよくするために使うものとして知られている器具です。
しかし実は、難聴治療のためだけでなく、耳鳴り治療のためにも使われることがあります。
耳鳴りの治療にいらした患者さんに補聴器を使用することをお伝えすると、「耳の聞こえは悪くないのに補聴器がひつようなのですか?」と尋ねられるのですが、耳鳴りの治療に補聴器が使われるのは普通のことなのです。

今回は、補聴器を使った耳鳴り治療についてご紹介します。

耳鳴りが生じる仕組み

まず、耳鳴りが生じる仕組みについてみていきましょう。

耳には、外耳、中耳、内耳の3つの部分があります。
外耳は、一般的に皆さんが「耳」と呼んでいる部分だと理解してください。
音は空気の振動です。
空気の振動である音を集めて、鼓膜へと伝える器官が外耳です。
中耳は、鼓膜へと伝えられた振動を拡大し、内耳へと伝えます。
さらに内耳では、外耳、中耳を通して伝えられた振動を、蝸牛という器官で電気信号へと変換し、脳へと伝える役割を果たします。

このように、外耳から入ってきた振動が中耳へと伝えられ、内耳で電気信号に変換されて脳へと伝わることで、音が聞こえています。
しかし、蝸牛が老化すると、外耳から入ってきた振動を電気信号に変換する能力が衰えてしまいます。
その結果、脳へと伝わる電気信号が少なくなるため、脳はさらに電気信号を受け取ろうとして感度を上げます。

とはいえ、脳の感度が上がったからといって、電気信号の量が増えるわけではありません。
このようにして脳は、蝸牛から伝わってくるものではない、まったく無関係の電気信号を受け取ってしまい、これが耳鳴りとなります。

補聴器を使った耳鳴り治療

補聴器とは一般的に、難聴に対処するための機器です。
補聴器の機種にもよりますが、入ってきた音を大きくして聞こえやすくする機能や、入ってきた音を加工し、聞き取りやすくするといった機能を備えています。

補聴器は、マイクで音を集め、その音をアンプで増幅・加工し、レシーバーで音を出すという仕組みになっています。
耳に入れるタイプや、耳にかけるタイプなどがあります。

耳鳴りに悩む方は、補聴器を活用して音を増幅させることで、脳へ電気信号が届きやすくなります。
そうすれば脳は感度を上げる必要がなくなりますので、無関係の電気信号を受け取ることもなくなり、耳鳴りが軽減されるという仕組みです。

さらに、補聴器を使うと、次のようなメリットもあります。
耳鳴りに苦しむ方が補聴器を使うことで、物音がより聞き取りやすくなります。すると、耳鳴りよりも物音に意識が向き、耳鳴りが気にならなくなるのです。
また、耳鳴りの音が物音にかき消される「マスキング効果」も期待できます。

耳鳴りの音響療法

音響療法とは、耳鳴りとは別の音を聞き続けることで、耳鳴りの音が気にならない状態をつくる治療法のことを言います。

たとえば、音量10の耳鳴りを感じているとします。
このとき、10の耳鳴りに対して、別の音を8から9の音量で流します。
耳鳴りと同じくらいの大きさの音を聞くことで、耳鳴りの音が軽減されるように感じるとともに、常に音が聞こえている状態に慣れることができるのです。
即効性のある治療ではありませんが、根気よく続けることで、効果が期待できる治療です。

難聴でない方の音響療法

自宅でもできる音響療法として、人と話したり、テレビを見たり、ラジオや音楽を聞いたりすることが効果的です。
こうして音を聞いていれば、耳鳴りの音が気になりにくくなるからです。
川のせせらぎや雨の音など、耳に優しい、自然の音を集めたCDを聞くのもいいでしょう。

ここでのポイントは、静かな状態を作らないこと。
常に音が聞こえる状態を作り出すことで、耳鳴りの際立ちを抑えることが可能です。

また、音量が大きすぎないように気をつけましょう。
音は、耳鳴りが少し聞こえる程度に設定します。
なぜなら、耳鳴りの音がかき消されてしまい、「耳鳴りの音に慣れる」という本来の目的がかなえられないからです。
「耳鳴りの音が聞こえないようにする」ことが目的ではなく、「耳鳴りの音が気にならなくする」ことが目的であることに、注意してください。

「サウンドジェネレーター」という機器を使うこともあります。
サウンドジェネレーターとは、人工の治療音を発生させる治療器です。
テレビを見たり、音楽を聞いたりといった治療法は、手軽ではありますが、外出中はできない、音量調節が難しいといった課題もあるでしょう。
サウンドジェネレーターは、そうした課題を解決してくれる機器です。

難聴の方の音響療法

難聴の方の音響療法で用いられるのが、補聴器です。中でも、軽度・中等度の難聴の方は、補聴器に加えてサウンドジェネレーターを用います。
難聴の方は、周囲の音が聞き取りづらいため、相対的に耳鳴りの音を大きく感じてしまいます。そんな場合に補聴器をつければ、周囲の音を聞き取りやすくなり、相対的に耳鳴りの音が小さく感じられるようになるのです。

まとめ

以上のように、補聴器の使用が聞こえだけでなく耳鳴り治療にも役立つことがあります。
ときどき「補聴器をつけるのは恥ずかしい」と言う方もいますが、決して補聴器は恥ずかしいものではありません。
今ではさまざまなタイプの補聴器がありますから、医療機関で相談をし、フィッティングをされることをおすすめします。

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