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耳鼻咽喉科 渡辺医院

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2019年2月6日

めまいの原因にもなる片頭痛を減らす「頭痛体操」

めまいの原因のひとつに片頭痛があります。
実は片頭痛は、体操によって軽減することができる場合があります。

今回の記事では、めまいの原因になる片頭痛を減らす「頭痛体操」についてご紹介します。

片頭痛の頻度を減らす頭痛体操

慢性頭痛の診療に当たっている頭痛外来では、以上のような薬物療法のほか、患者さんに理学療法を指導する場合もあります。

理学療法というのは、運動やマッサージなどによって体の機能の回復(リハビリ)を図ったり、痛みを緩和したりする治療のことです。
ここでは、頭痛の理学療法として広く知られている「頭痛体操」をご紹介しましょう。

この体操は、埼玉精神神経センター内の埼玉国際頭痛センターで指導されています。

同頭痛センターは、頭痛疫学調査の坂井文彦先生(日本頭痛学会元代表理事長)と、頭痛専門医の浅野賀雄先生により2010年11月に開設されました。
そして、包括的頭痛医療として、薬物療法のほか、患者さんごとに生活指導や頭痛体操の指導を行っています。

頭痛体操には、「腕を振る体操」と「肩を回す体操」の2つがあります。
1日2分程度行えばよい簡単な体操ですが、慢性頭痛の多くを占める片頭痛や緊張型頭痛の予防、緩和に効果があります。

肩こりは緊張性頭痛の大きな原因で、片頭痛の発作が起こる前にも、肩のこりを感じるという人が少なくありません。
特に片頭痛の発作時には、首の後ろ側にしこりのような痛みが生じます。このしこりが残っていると、より片頭痛が起こりやすくなります。

そこで、日々、肩のこりやしこりをほぐすようにしていると、片頭痛の頻度が減ったり、痛みの度合いが軽くなったりすることが期待できるのです。

「腕を振る頭痛体操」

まっすぐ前を向いたまま、頭を動かさないように両腕を左右に振る運動です。
これによって、頭を支えている後頸筋(こうけいきん)群をストレッチします。
後頸筋(別名・深頸筋:しんけいきん)とは、首のやや深い部分にあるいくつかの筋肉の総称です。

首の周りの筋肉は、重い頭を支えたり動かしたりしています。
そのため、この筋肉に疲れがたまって硬くなると頭痛の原因になります。
腕を振る体操は、この筋肉を伸ばしてほぐし、こりや疲れを取ることで頭痛を和らげます。

【やり方】
足を肩幅に開いてまっすぐ立った状態から、両手を胸の高さに持ち上げ、その高さを保ちながら水平に左右に振ります。
その際、体の軸をまっすぐに保ち、頭を動かさないように意識しながら、肩全体を左右に回転させるように腕を振ります。
左右の肩を交互に前に突き出すような感じです。

ゆっくりと、2分程度続けてみてください。

椅子に座ったままで「腕を振る頭痛体操」

腕を振る体操は、椅子に座った状態で行うこともできます。
このやり方なら、オフィスで仕事をしている合間にも気軽に行えます。

【やり方】
上半身の基本動作は、通常の「腕を振る体操」と同じです。
それを、椅子に座った状態で、両足をそろえ、顔を正面に向けたまま行います。

肩全体を左右に回転させ、一方の肩を前に突き出したとき、首周りの筋肉が伸びている感覚を確かめながらやってみてください。

「肩を回す頭痛体操」

肩を前後に大きく回す運動です。
これによって、僧帽筋(そうぼうきん)をストレッチします。
僧帽筋は首の後ろから背中の上部にかけて、肩を覆うように広がっている大きな筋肉です。
肩こりで最も多く見られるのは、この筋肉の張りや疲労です。

【やり方】
足を肩幅に開いてまっすぐ立ち、ひじを曲げて手を肩の高さで軽く握ります。
ひじや手には力を入れず、肩の力も抜いて行ってください。

まずは、肩を前に回しましょう。
リュックサックを背負うときのような感じで、肩を中心にひじを内側に大きく回転させます。

次は反対回しです。
ジャケットを脱ぐときのような感じで、肩を中心に、ひじを外側に大きく回しましょう。

この前後への肩回しを、6回くり返してください。

この頭痛体操は、病院でも指導されていますが、基本的には生活の中に組み入れて患者さん自身に実行していただくことが主眼です。
適切な薬の処方を受けながら、頭痛体操を取り入れた結果、2週間ほどで効果を実感したという患者さんもいらっしゃいます。

毎日2~3分ですから、皆さんもやってみてはいかがでしょうか。

渡辺医院院長 渡辺繁

東大病院耳鼻咽喉科助手、JR東京病院勤務を経て1988年に渡辺医院開業。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本耳鼻咽喉学会・日本めまい平衡医学会所属。

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