耳鼻咽喉科 渡辺医院

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2018年9月5日

耳鳴りの原因になる脳の病気

耳鳴りは、さまざまな病気の症状のひとつとして現れることがあります。

耳の中の器官が何らかの病気に罹ったり、ストレスが原因によるうつ病が原因になることも珍しくありません。耳鳴りの原因となる病気の中でも特に注意が必要なのが、脳の病気です。最悪の場合、命に関わる可能性がありますし、助かったとしても重篤な後遺症が残ることがあるからです。

本コラムでは、症状として耳鳴りが発生することがある脳の病気をご紹介します。

耳鳴りの原因になる脳の病気① 脳卒中

脳卒中とは、脳に走っている血管が詰まったり、破れて出血したりすることが原因で起こる病気のことをいいます。

血管が詰まるのが脳梗塞で、破れて出血するのが脳出血です。
血管は酸素や栄養を運んでいますから、脳梗塞になって血流が滞ってしまうと酸素と栄養が行き渡らなくなり、脳細胞が壊れます。
また、脳出血では、神経細胞が死んでしまいます。
どちらの病気でも、麻痺、言語障害、意識障害などの症状があらわれます。

脳卒中の主な原因は、動脈硬化です。
高血圧症、高脂血症、糖尿病、喫煙などが動脈硬化を招きます。
つまり、塩分控えめの食事、コレステロールを減らす、適度な運動をする、血圧をコントロールするなどの方法によって、脳卒中を予防することができます。

脳梗塞の治療では、血管内の血栓を増やさないように、プロスタグランディン製剤や抗トロンビン剤が使われます。

脳出血の治療では、脳浮腫を減少させる薬を使うか、出血した部位によっては、血腫を取り除く手術をすることが選択されます。

耳鳴りの原因になる脳の病気② 脳動脈瘤

脳動脈瘤とは、脳の血管の一部が膨らんで弱くなっているところのことをいいます。
血管が枝分かれするところに発生するもので、40歳以降に発生するものとされています。
これが破裂することで、症状が現れます。

脳動脈瘤が破裂すると、クモ膜下出血が起こります。
突然の頭痛で発症し、吐き気をもよおしたり、意識が遠のいたりすることが多い病気です。
程度によりますが、クモ膜下出血によって脳に大きなダメージを受けると、手足が麻痺したり、言語障害や視覚障害が残ったり、けいれんしたり、突然死の原因になったりすることがあります。

クモ膜下出血になると、そのうちのおよそ3分の1の人が亡くなるとされています。
早急な治療などによって一命を取り留めたとしても、脳は強いダメージを受けます。
そのため、およそ3分の1は強い神経症状が残ります。
残りの3分の1の人は、比較的軽い症状、もしくは何の症状もなく生活できるようになるといわれています。

脳動脈瘤破裂によってクモ膜下出血になった場合、治療として選択されるのは、脳動脈瘤が再び破裂することを防ぐというものです。
なぜなら、脳動脈瘤が再び破裂すると、症状が悪化するとともに、死亡率が上がるからです。

脳動脈瘤が再び破裂することを防ぐ方法としては、開頭し、脳動脈瘤と親動脈の間をクリップで留める方法があります。
これをネッククリップ術といい、親動脈から脳動脈瘤の中に血流が流れ込まないように遮断することを目的とします。

ネッククリップ術が最もよく採用される方法ですが、もうひとつ、塞栓術(脳神経血管内治療、脳血管内手術)と呼ばれる比較的新しい方法もあります。
これは、血管のなかから脳動脈瘤のなかに細い管を挿入し、その管から、プラチナでできたやわらかいコイルを埋め込むという方法です。

耳鳴りの原因になる脳の病気③ 聴神経腫瘍

聴神経腫瘍は、良性の脳腫瘍で、聴神経から発生します。
聴神経とは、人間が聴覚や内耳で感じ取っている身体のバランスを脳へと伝達する神経のことです。

聴神経腫瘍の症状としては、初期では軽い耳鳴りや身体のふらつきがあらわれます。
さほど気になる症状でもないため、「気のせい」「疲れがたまっているから」「加齢が原因」などとして片づけられてしまい、この時点で医療機関にかかることは少ないものです。

ただ、こうして放置しているうちにも、腫瘍は成長していきます。
腫瘍が成長すると、しだいに聴力が低下し、やがては腫瘍の近くにある脳神経や小脳を圧迫するようになります。

多くの場合では、片耳の難聴に気付いて医療機関を受診することになります。
それ以外の症状としては、脳神経の障害によって顔面神経が麻痺してしまい、顔が曲がったり、小脳の障害によって脳全体が圧迫されてしまい、意識障害、頭痛、吐き気などの症状がでたりすることで異変に気付き、医療機関に相談される方もいます。

聴神経腫瘍は、薬によって治すことはできません。

治療法として選択されるのは、放射線治療の「ガンマナイフ」と開頭手術です。
腫瘍の大きさが3cm以下の場合は、ガンマナイフが行われるケースが大半です。
ガンマナイフが行えない場合は、開頭手術が実施されます。

開頭手術をした場合、聴力を維持することは非常に困難だとされています。
それでも今では、顔面神経を傷つけることなく手術することはだんだんと可能になってきています。
聴神経腫瘍が大きくなってしまっている場合には、顔面神経を傷つける可能性があるという理由で、腫瘍を取り除かずそのままにするケースもあります。
また、手術で顔面神経に傷がつかなかったとしても、一時的に顔面麻痺が発生することもあります。
そうしたときは、ビタミン薬を内服することによって、ほとんどの症例で麻痺が軽減します。

耳鳴りは、こうした脳疾患の初期症状として現れることがあります。
ですから、医師は耳鳴りの検査を行う際に、まず脳疾患かどうかを確認するのです。軽い耳鳴りだからと放置することなく、医師の診察を受けることが、脳疾患の早期発見にもつながるということです。

渡辺医院院長 渡辺繁

東大病院耳鼻咽喉科助手、JR東京病院勤務を経て1988年に渡辺医院開業。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本耳鼻咽喉学会・日本めまい平衡医学会所属。

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