院長の耳鳴り外来はしばらくの間、休止とさせていただきます。大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒、よろしくお願い申し上げます。
耳鼻咽喉科 渡辺医院

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2018年8月29日

どう向き合う?耳鳴りが原因の「うつ状態」

耳鳴りやめまいは、ストレスの影響を受けやすい症状です。強いストレスを感じていると、普通なら気にならない耳鳴りにも、過敏になりがちな傾向があります。

一方、耳鳴りの患者さんには、不安感や抑うつなど、心の問題を抱えている人が少なくありません。
そういう患者さんは、耳鳴りの薬と併せて、心の不調を改善する抗うつ薬などを処方されることがあります。
不安を取り除くと、耳鳴りが気にならなくなることが少なくないからです。

「ニワトリが先か、卵が先か」的な話になりますが、心の不調が耳鳴りの原因になることも、つらい耳鳴りが心を不調にすることもありえるのです。

ずっと耳鳴りを苦痛に感じている状態は、精神的にもよくないことは確かです。ぜひ耳鼻科に行って、悩みを相談してみてください。

耳鳴りが原因で「不眠」に悩まされる人が多い

下のグラフを見ると、耳鳴りのために「夜眠れない」という人が31.4%もいることがわかります。

ほかにも、「疲れを感じる」(22.1%)、「物事に集中できない」(17.4%)、「仕事の妨げになる」(10.5%)といった、主に体調に関わる訴えが挙げられています。
耳鳴りで快眠できないために、疲労が蓄積してしまう人も多いのです。

ここに、「不眠と耳鳴りの負のスパイラル」が見て取れます。

耳鳴りが気になって眠れないために、疲れて日中の活動に支障をきたす。
それが精神的にも負担になって、より耳鳴りに敏感になってしまう、といった悪循環です。

そういう場合には、まずよく寝ることで負のスパイラルを断ち切ると、耳鳴りも軽減するケースが少なくありません。

耳鳴りの治療に来られた患者さんが不眠に悩まされている場合、耳鼻科医は、睡眠薬や睡眠導入剤を処方することがけっこうあるものです。

私も、眠れないという患者さんにはルネスタという薬を勧めていますが、これは依存性のない安心して使える睡眠薬です。

心の問題とどう向き合うか

最近はメンタルヘルスに関心を持つ人が増え、心の病気への誤解も少なくなっていると思います。
それでも、「耳鳴りには心理的要素が関わっている」と聞くと、抵抗を感じる人がいるかもしれません。

そういう方は、心というものを少し大きな目でとらえ直してみてください。
たとえば、自分の心を上から見下ろしてみるようなイメージです。

耳鳴りに限らず、何かトラブルに悩まされていると、心が“そこ”にとらわれがちです。
それでも「どうして今つらく感じているのだろう」と、自分の状態を客観的にとらえられれば、状況を前向きに考えやすくなります。

人の心は不思議なもので、自分のもののようでいて、思いどおりにならないことがあります。
それで生活に支障をきたすのが心の病気です。
それでも、そんな自分の心を客観視すると、心のありようが変わってくるのです。

簡単ではありませんが、じっくり取り組めば、誰でもそういう心の使い方ができるようになります。

渡辺医院院長 渡辺繁

東大病院耳鼻咽喉科助手、JR東京病院勤務を経て1988年に渡辺医院開業。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本耳鼻咽喉学会・日本めまい平衡医学会所属。

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