めまい・耳鳴り・頭痛には食生活の改善が有効
「生活習慣によってめまいや耳鳴りを予防・改善できる!」の記事では、めまいを予防・改善する生活習慣をご紹介しました。
食生活もまた、めまいなどの症状を改善する重要な要素です。
今回の記事では、めまい、そして耳鳴りと頭痛を改善する食生活についてご紹介します。
めまい・耳鳴り・頭痛を改善する食生活のポイント
どこでも言われることですが、食事はなるべく一定の時間に取ること、そして「腹八分目」といわれる適量を心がけるのが基本です。
これは、めまい・耳鳴り・頭痛改善のカギを握る自律神経のリズムを快調にするためでもあります。
できるだけ食べすぎ、飲みすぎは避け、規則正しい食生活を送るように意識してください。
また、めまい・耳鳴りの人には、積極的に水分を取ることをお勧めします。
めまい・耳鳴りの原因として、メニエール病に代表される内耳のリンパ液の停滞が挙げられます。
その内耳のリンパ液の「水はけ」をよくするために、逆に水を飲むことが有効なのです。
これは「水分摂取療法」と呼ばれていて、とても高い効果があるとされています。
耳鳴りの人が取りたい栄養素
症状によっては、取りたい栄養素や避けたい食品があります。
耳鳴りを改善、予防するには、一般的な栄養バランスも大切ですが、ビタミンを意識的に摂取するとより効果的です。
特にビタミンB群は、耳鳴りの治療にも利用されている栄養素です。
中でもビタミンB12は、末梢神経の働きをよくするため、耳鳴りの改善に有効だと考えられます。
日常的にビタミンB群を補給するにはサプリメントが有用ですが、食品で挙げるなら、魚や貝類、レバーなどがビタミンB12を豊富に含んでいます。
また、耳鳴りの人には、いわゆる民間薬として使われてきたハチの子(ハチの幼虫やさなぎ)などを利用しているという方もいらっしゃいます。
ハチの子は今でいうローカルフードとして昔から愛されてきたものですし、トリプトファンなどの必須アミノ酸が豊富で、栄養学的に見れば神経機能によいのではないかと思われます。
耳鳴りをすっきり治すのは難しいことも多いので、安心して利用できるサプリメントであれば、私は否定しません。

渡辺医院院長 渡辺繁
東大病院耳鼻咽喉科助手、JR東京病院勤務を経て1988年に渡辺医院開業。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本耳鼻咽喉学会・日本めまい平衡医学会所属。