耳鼻咽喉科 渡辺医院

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2018年5月23日

つらい耳鳴りを軽減する“音響療法”のしくみ

つらい耳鳴りに耐えかねて病院に行ったのに、こんなことを言われてしまった経験はないでしょうか?

「耳鳴りですか。耳鳴りは、治療法がないのですよ」
「気にしすぎですよ。神経質なのでは?」
「あきらめてください」

たしかに耳鳴りは、他の多くの病気とは異なり、手術さえすれば翌日には症状が消えているという病気ではありません。
ただし、正しい治療を行えば、その症状を軽減することができるのです。

あなたの耳鳴りが改善するかもしれない“音響療法”についてご紹介します。

消す・治すのではなく「慣れる」ための治療

音響療法とは、一言でいえば、耳鳴りに慣れることをゴールとした治療法です。
耳鳴りがやがて気にならなくなるように、その名のとおり、音を使って治療します。

具体的には、皮質下や大脳皮質、大脳辺縁系、自律神経系といった脳の部位に働きかけ、耳鳴りを感じる回路を少しずつ弱めていきます。

脳の部位ごとに、その働きをみていきましょう。

・大脳皮質…耳鳴りを耳鳴りだと認知します。
・皮質下…必要な音と不要な音を分類し、必要な音を大脳皮質へと届けます。
・大脳辺縁系…不安やイライラ、怒りを感じるとはたらきます。
・自律神経系…緊張や動悸、冷や汗、不眠を司っています。
・蝸牛…耳鳴りの発生源です。

音響療法では、音を聞き、これらの部位にはたらきかけることで、徐々に耳鳴りが気にならなくなるよう治療していきます。

音響療法の基本的なしくみ

ではどうして音を聞くことで、耳鳴りが軽減されるのでしょうか?

あなたに聞こえている耳鳴りの音の大きさを10としましょう。
音響療法によって、別の8から9くらいの音を聞いたら、どうでしょうか?
別の大きな音を聞くことで、耳鳴りの音が相対的に抑えられるように感じるはずです。

ここでポイントとなるのは、耳鳴りの音を「相対的に」小さく感じさせるということ。
耳鳴りの音よりも大きな音を聞くと、耳鳴りの音がかき消されてしまい、耳鳴りの音に慣れることはできません。
耳鳴りよりも小さな音を聞きながら、同時に耳鳴りの音も聞き続けることが重要で、
耳鳴りを苦痛だと感じる脳を少しずつ慣らしていきます。

そうすれば、耳鳴りがあっても気にならず、普通の生活を送れるようになるのです。

正しい治療と理解で耳鳴りを乗り越えて

音響療法とあわせて必要となるのが、「耳鳴りを理解すること」。
耳鳴りは怖いものではないとしっかり理解することで、大脳皮質と大脳辺縁系に働きかけ、耳鳴りが苦痛だ、耳鳴りがストレスだと感じにくくなるのです。

この耳鳴りの理解と音響療法をあわせて、TRT(ティーアールティー:tinnitus retraining therapy)療法、または耳鳴り順応療法と呼んでいます。

耳から入ってくる音が、すべて音として聞こえているわけではありません。
部屋にいるとき、遠くで鳴っている救急車のサイレンの音は聞こえても、部屋の中の冷蔵庫の音は聞こえていないのではないでしょうか。
私たちの脳は、必要な音と不要な音を分類し、必要な音だけを認識しているのです。

音響療法は、このしくみを利用した治療法です。
耳鳴りよりも少し小さい音を流し続けることで、耳鳴りの音に慣れ、耳鳴りを意識しないで済むようにするのです。

音に慣れる必要があるため、時間はかかりますが、あきらめることなくじっくりと取り組んでいただきたいと思います。

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