20代~30代女性でも発症の危険あり!耳鳴りの原因とは
耳鳴りというと、高齢者の病気というイメージがあるかもしれません。
また、もしかすると、精神的な病気だと決めつけてしまっている人もいるかもしれません。
しかし、耳鳴りは、高齢者だけがかかる病気ではありません。
耳鳴りを発症する原因もさまざまです。
つまり、たとえば「私には関係ない」と思っている20代~30代の若い女性であっても、耳鳴りを発症する可能性があるのです。
耳鳴りの症状はどんなもの?
耳鳴りといっても、種類もその程度もさまざま。
耳鳴りがあっても普通の生活を送れている人もいれば、生活に支障が出ている人もいます。
他の多くの病気と同様、耳鳴りはいろいろな観点から分類することができますが、ひとつ特徴的なものを挙げるとすると、「他覚的耳鳴り」と「自覚的耳鳴り」があります。
他覚的耳鳴りは、聴診器を使えば他の人にも音が聞こえる耳鳴り。
これは、体内で発生している、血液が流れる音などが聞こえているものです。
それに対して自覚的耳鳴りは、自分にしか聞こえない耳鳴りです。
自覚的耳鳴りについては、自分にしか音が聞こえないため、他の人にそのつらさを理解してもらいにくいと苦しむ人が多い耳鳴りです。
耳鳴りを音の種類で分類すると、高音性、低音性、雑音性、単音性があります。
高音性は、キーンという音やピー、ギーンという高い音が聞こえる耳鳴り。
低音性は、ブーン、ザー、ボー、ゴーなどの低い音の耳鳴り。
雑音性は、ジー、ザーザーなど、いくつかの音が混ざって聞こえる耳鳴り。
単音性は、雑音性と逆で、一種類の音が聞こえる耳鳴りです。
人によって聞こえる音はさまざまで、どんな音が聞こえるかによって耳鳴りの原因がわかるものではありません。
耳鳴りの原因は?
原因がわからないとされている耳鳴りもあれば、原因が明らかになっている耳鳴りもあります。
「耳鳴りは原因がわからない、治療法がないと聞いたことがあるから」「あまり大きな耳鳴りではなく、気にならないから」と、病院に行かず、放置するのは危険です。
その耳鳴りが危険なものかどうかは、耳鳴りの程度とは関係がないといわれています。
耳鳴りがしたら、耳鼻咽喉科にかかり、その原因を突き止めることをおすすめします。
一般的に耳鳴りの原因とされるものには、たとえば以下のようなものがあります。
・耳の病気
・脳の病気
・高血圧
・動脈硬化
・糖尿病
・過労
・ストレス
・不規則な生活
若い女性は知っておくべき「メニエール病」
特に若い女性に知っておいていただきたいのが、メニエール病です。
耳鳴りに関連して、以下のような症状が出た場合には、メニエール病が疑われます。

・強い耳鳴りと弱い耳鳴りを繰り返す
・10分以上、長ければ数時間に及ぶめまいを
繰り返す
・低い音の耳鳴りが聞こえる
・低い音が聞き取りづらい
・耳が詰まったような感じがする
メニエール病には、ストレスや疲労、睡眠不足が大きく影響しているといわれます。
このような症状が出た場合には、決して放置せず、医師に相談するようにしてください。
放置すると危険な耳鳴りとは
飛行機に乗ったり、高い山に登ったりしたとき、耳鳴りを感じる方もいるでしょう。
これは、気圧の変化による耳鳴りですので、やがてなくなります。
日常生活に支障がなければ、治療の必要はありません。
それに対して、日常生活に支障が出るような耳鳴りは、放置してはいけません。
耳鳴りが、何か重大な病気の症状である可能性もあるからです。
まずは耳鳴りの原因をつきとめるために、耳鼻咽喉科にかかるようにしてください。

渡辺医院院長 渡辺繁
東大病院耳鼻咽喉科助手、JR東京病院勤務を経て1988年に渡辺医院開業。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本耳鼻咽喉学会・日本めまい平衡医学会所属。